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スタバの春はもう、ただのフレーバーではない。2025年の新作『THE 苺 フラペチーノ®』は、「HOTEL STARBUCKS」の世界観とともに、五感と記憶を揺さぶる体験そのものに変貌。私たちは今、“飲むアート”の時代にいる。
2025年のサマーシーズンに向けてスターバックスが打ち出したテーマは、「HOTEL STARBUCKS」。赤を基調としたラグジュアリーな空間、モダンクラシカルな演出、そして徹底的に“苺”に寄り添ったディテール——。そのすべてが『THE 苺 フラペチーノ®』のために用意された舞台装置だ。商品自体も、果肉・ジュレ・シード・ホイップという層構造で視覚と味覚に多層的なインパクトを与え、ホテルスイーツのような余韻を残す仕上がりになっている。
渋谷・MIYASHITA PARKにて、4月4日から7日までの4日間限定でオープンした『HOTEL THE ICHIGO店』は、その世界観を先取りできるポップアップ施設。通りに突如現れる深紅のファサードには、「いちごを超えたいちご体験」「至福のいちご果肉と粒々食感」といった挑発的なコピーが躍る。パートナー(従業員)はホテリエの装いで来場者を迎え、まさに“ホテルで供される特別な一杯”として『THE 苺 フラペチーノ®』を提供する。味覚、嗅覚、視覚、そして空間そのものが統合された演出は、飲料の枠を超えた一種の没入型体験だ。

この苺体験の進化には、スターバックスの戦略的意図が色濃く反映されている。2000年代初頭から続く苺シリーズは、2015年以降、単なる“季節の味”から“ブランドの主役”へと昇格。2019年の『ストロベリー ベリーマッチ フラペチーノ®』では圧倒的な果実感で転換点を迎え、2021年は果肉感、2023年は層の美しさとSNS映えを意識した設計がなされた。そして今回2025年は、飲料でありながら“空間”を丸ごと設計するという、いわば“飲むインスタレーション”へと昇華した。
こうした演出の背景には、Z世代・ミレニアル世代の“コト消費”志向がある。自分自身を演出できる瞬間、SNSでシェアできる場面、それこそが価値となる時代に、スターバックスはいちごを通じて“記憶される体験”を提供しようとしている。気候変動による苺の生産減少という社会的文脈さえ巻き込みながら、「特別な一杯」が語りうるストーリーは、ますます奥行きを増している。いま、私たちが飲むのは、ただのフラペチーノ®ではない。これは、物語だ。

詳細は、スターバックスの公式発表から確認できる